2009年6月22日(月)「しんぶん赤旗」

温室効果ガス削減の消極目標

「国民負担増」は口実

NHK番組 市田書記局長、政府を批判


 日本共産党の市田忠義書記局長は21日、NHK番組「日曜討論」に出席し、地球温暖化対策について各党代表と討論しました。(詳細

 市田氏は、温室効果ガス削減の2020年までの「中期目標」として、麻生太郎首相が2005年比15%(1990年比8%)と発表(10日)したなかで示した、「(毎年)可処分所得が4万3千円減り、光熱費が3万3千円増える」との国民負担についての政府試算を追及しました。

 市田氏は、独立行政法人国立環境研究所が「(排出量を)25%削減しても、可処分所得は逆に増えていくし、光熱費も変わらない」との試算を出していることを紹介し、「国民への負担」を口実に消極的な数値目標に固執する政府の姿勢を批判しました。

 また市田氏は、政府の「中期目標」では「産業界は、総排出量の8割で一番多い排出量を占めているにもかかわらず、負担をほとんど求めていない」と述べ、8%減の削減数値は「産業界が容認する許容範囲内のギリギリの数字だ」と指摘しました。

 自民党の野田毅衆院議員(同党地球温暖化対策推進本部委員長)は、政府が示した数値目標でも「可処分所得もGDP(国内総生産)も伸び得る」とし、“負担増”という試算は「適切なデータでない」と認めました。

 市田氏は「環境対策と経済対策・雇用創出の両立のために何をすべきか」と問われ、「国民一人ひとりは今、レジ袋をやめてマイバッグにしたり、冷暖房を控えめにするなど大変努力をしている。そういう一人ひとりの努力を実らせて、生かすためにも、大量生産・大量消費・大量廃棄という今の社会経済システムを改めて、自然エネルギーにもっと力を入れるべきだ」と主張。

 自然エネルギー産業を育て、雇用も増やすドイツの例を示しながら、「化石エネルギーに頼らず、自然エネルギーに傾斜する経済構造へ変えていくことが、経済の発展にもつながる」と強調しました。

 市田氏は、温暖化対策の名で原発増設を進めようとする政府に対し、この間の事故や災害で、活断層の上に原発があったことなどが判明していると指摘。「もし大きな事故が起これば環境どころか壊滅的な打撃を受ける」と述べ、原発依存から抜け出すべきだと述べました。



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