2009年6月17日(水)「しんぶん赤旗」
仁木氏と共産党の勝利で
子育て・老後、暮らしの安心を
千葉・船橋 志位委員長が演説
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21日の投票で市長選がたたかわれている千葉県船橋市の市民文化ホールで16日夜、日本共産党演説会が開かれ、同市が地元でもある志位和夫委員長が、党公認の仁木利則氏の勝利と総選挙での躍進を訴えました。
市長選の構図は、自公民「オール与党」が推す現職候補と、日本共産党の仁木氏の事実上の一騎打ちです。
志位氏は、現職候補は最初の市長選挙(1997年)では「福祉の先進都市を目指す」と公約したのに、当選すると「近隣市と比べて突出する福祉はやらない」と言い、船橋を住みづらい街にしてきたと批判しました。
特別養護老人ホームの待機者や保育所の待機児が急増している実態を示し、特養ホーム・保育所のそれぞれ10カ所増設で「二つの『入れない』をなくす」という仁木氏への支援を訴えました。
加えて志位氏は、すぐに解決すべき二つの問題として母子家庭への支援と小中学校の耐震改修を挙げました。
志位氏は、市独自の母子家庭への児童育成手当が大幅に削減されたことを告発。国が冷たいときだからこそ自治体の支援が必要だと力説しました。
また同市の小中学校の耐震化率は36・6%、県内57自治体で56位だと述べ、「仁木さんの勝利でただちにとりくみを」と訴えました。
市民の税金はどこに消えたのか―。こう問いかけた志位氏は、船橋駅南口の再開発ビル「フェイス」と東葉高速鉄道という「二つの大穴」から毎年多額の税金が流出していると述べました。
フェイスについては、現職候補が「計画見直し」の公約を投げ捨て、大銀行やゼネコンのいいなりに建設を強行したと指摘。東葉高速鉄道については、国から押し付けられた第三セクター方式を市が受け入れ、結局、市が赤字の肩代わりをしていると批判しました。
志位氏は「大企業と国にモノが言える市長が必要です。仁木さんを押し上げ、子育て・老後、暮らし安心の市政を」と訴え、大きな拍手に包まれました。
国政に話を移した志位氏は、21世紀の日本の進路として(1)「ルールある経済社会」を築く(2)「自主・自立の平和外交」に転換する―という「二つの旗印」を縦横に語りました。
この中で志位氏は、政府の経済財政諮問会議に、消費税を12%にする試算が出てきたことを指摘。この間の社会保障の切り捨てで「福祉のため」という口実も使えなくなり、「借金を返すため」と言い出しているが、無駄な巨大開発や大企業減税、党略のためのバラマキで借金を増やしたのは自公政権自身だと告発しました。志位氏が「消費税増税には絶対反対。食料品は非課税に」と訴えると、ひときわ大きな拍手が起きました。
最後に「勝利の鍵は草の根の力」と支援を呼びかけた志位氏に、聴衆は大きな拍手と声援で応えました。
演説会では、衆院南関東比例の斉藤和子予定候補(千葉4区重複)が決意を表明。仁木氏は、「市民の暮らし、福祉を最優先にする市政に切り替えるため全力で頑張ります」と訴えました。
演説を聞いた女性(53)は「志位さんの話は、本当にわかりやすかった。自民党や民主党とは違って、庶民に向かって語ってくれた。共産党の主張が多くの人にわかってもらえれば、必ず躍進できると思う」と語りました。
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