2009年6月14日(日)「しんぶん赤旗」
今週の国会
海賊派兵法案成立狙う
与党、19日に再議決の構え
自衛隊の海外派兵を拡大する「海賊対処」派兵新法案は16日の参院外交防衛委員会で参考人質疑を行い、18日に麻生太郎首相が出席して質疑を行った後、採決することが決まりました。
参院では、野党が多数のため、同法案は否決される見通し。19日の参院本会議でも否決の見込みのため、与党は同日の衆院本会議で3分の2以上の賛成で再議決し、成立させる構えです。
同法案は、自衛隊の海外での武器使用基準を緩和し、海外での武力行使に道を開く憲法違反の重大な内容です。参院審議では、同法案がソマリア沖の海賊対策に役立たないだけでなく、武力紛争の悪循環を拡大するものであることが明らかになっています。日本共産党は、徹底審議のうえ廃案にすることを求めています。
基礎年金財源の国庫負担を2分の1に引き上げ、その財源に消費税増税をあてることを狙った国民年金法改定案は16日に参院厚生労働・財政金融委員会の連合審査を行い、18日の厚労委員会で首相出席の質疑後に採決される方向です。同法案も参院では否決される見込みのため、与党は、「海賊対処」派兵新法案とともに19日の衆院本会議で再議決・成立させる方針です。
参院で審議中の2009年度補正予算関連法案のうち、贈与税減税を盛り込んだ税制「改正」法案など3法案も成立する動きとなっています。
衆院では16日の本会議で、議員有志から提出されている臓器移植法改定案4案についての討論が行われます。4案の賛同者のほか、日本共産党が発言します。自民党は同日中の採決を提案していますが、野党は同意しておらず、引き続き協議することになりました。
17日には、麻生首相と民主党の鳩山由紀夫代表との2回目の党首討論が行われます。