2009年6月12日(金)「しんぶん赤旗」
改憲論議へ審査会規程 強行
衆院本会議自公が可決 策動 新たな段階に
笠井議員が反対討論
自民・公明の与党は11日の衆院本会議で、改憲原案の審査権限をもつ憲法審査会の規程案の採決を強行し、賛成多数で可決しました。日本共産党、民主党、社民党、国民新党の各党は反対しました。
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同規程の制定は、改憲案づくりを含む国会での本格的改憲論議の始動を狙うもので、改憲策動を新たな段階に進めるものです。
同規程は、憲法審査会委員の定員を50人とすることなどを定めています。与党側は、規程にもとづく委員の選任は、参院での規程制定まで凍結するとしており、審査会の始動は事実上それ以降となります。
反対討論に立った日本共産党の笠井亮議員は、与党が2年前の改憲手続き法の成立を口実に、同規程を制定しないのは「立法不作為」だなどと繰り返してきたことについて、「審査会規程がないことで国民の権利が侵害された事実はどこにもない。『立法不作為』論はまったく成り立たない」と強調。同手続き法強行成立に続いて再び同規程制定を強行すれば、「憲政史上にさらに大きな汚点を重ねる」と批判しました。
また、「国会で多数を握っているうちに改憲の条件を整えようとすることは断じて許せない」と指摘。9条改憲を求める世論は、どの世論調査でも少数であることを示し、改憲手続き法こそ廃止すべきだと主張しました。
自民党の今井宏議員は賛成討論で、「民主党は規程の制定は必要だとしており、鳩山(由紀夫)代表も『議論は始めて結構だ』と発言している」とし、「立法府の不作為と無責任を解消するため」に同規程制定は必要だなどと述べました。
民主党の園田康博議員は、改憲手続き法を強行した自民党の中山太郎前憲法調査特別委員長を「高い見識で円満な議論をした」と持ち上げる一方、広範な合意なくして規程づくりを強行することを「選挙目当てのパフォーマンス」だと批判しました。