2009年6月10日(水)「しんぶん赤旗」
西川社長辞任は当然
六つの責任 根本に民営化
日本郵政問題 山下議員追及
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参院総務委員会は9日、西川善文社長の進退で注目される日本郵政についての集中審議を行いました。日本共産党の山下芳生議員は、三井住友銀行元頭取の西川氏の社長就任以来、さまざまな問題が噴出していることをあげ、同氏の社長辞任は当然だと指摘しました。
山下氏は「西川社長 六つの責任」(別項)をパネルにして示しました。
山下 西川社長のもとで国民はこんなにも害をこうむった。責任を取ってやめるのが当然ではないか。
西川 反省すべき点もあったが、いったん引き受けた以上、民営化の土台をしっかりと築くことが私に与えられた責務だ。
この答弁に対し山下氏は「あなたがやめることが、国民の立場から郵政事業を再生する第一歩になる」と強調。日本郵政株式会社法第9条に「会社の取締役の選任及び解任並びに監査役の選任及び解任の決議は、総務大臣の認可を受けなければ、その効力を生じない」とあることを示しました。
山下 国民の立場に立つなら、仮に株主総会で西川氏が社長に選任されたとしても断じて『認可』すべきでないと思うが、どう考えるか。
鳩山邦夫総務相 今日は山下議員の意見に8割方賛成できる。信念にもとづいて判断する。
この答弁を受けて、山下氏は西川氏に総務相の判断に従うのかただしました。西川氏は「法律で決めたことですから、法に従うまでだ」と述べました。
山下氏は「『六つの責任』は西川社長個人の問題から生じたものではなく、郵政民営化路線の当然の帰着だ」と述べ、郵政民営化そのものを根本的に見直す必要があると指摘しました。
西川社長六つの責任
(1)「かんぽの宿」など国民財産をたたき売り
(2)ゆうちょ銀行「カード事業」など三井住友と癒着
(3)かんぽ生命「保険金未払い」を公表せず
(4)「障害者団体向け第3種郵便」の悪用を見逃す
(5)簡易郵便局の閉鎖など国民サービスの低下
(6)21万人の非正規労働者のワーキングプア化
就任前から反対
共産党
西川氏の社長続投を正式に決めるのは29日に予定されている日本郵政の株主総会です。日本郵政の株式は現在、そのすべてが政府保有。このため、とりわけ財務相の判断が株主総会の決定となります。
日本郵政株式会社法によれば、総務相に取締役の認可権限があるため、仮に株主総会で西川氏の社長選任が決まっても、総務相が反対すれば発効しません。
麻生太郎首相は西川氏の進退問題について態度を明確にしないため、政府・与党内から首相の指導性を疑う声が上がり、混乱が広がっています。
西川氏の続投を認めない鳩山総務相も郵政民営化そのものには賛成しています。
日本共産党は、郵政民営化がアメリカと財界の要求で始まったことや国民にとって何のメリットもないことを明らかにして、反対をつらぬきました。また、西川氏の社長就任についても、西川頭取当時の三井住友銀行が取引先の中小企業の弱みにつけこみ、金融商品を買わせて損害を与えていたことなどから、「ふさわしくない」と反対していました。