2009年6月10日(水)「しんぶん赤旗」
日産に是正指導
“業務偽装し派遣期間違反”
東京労働局
日産自動車が派遣の期間制限のない専門業務と偽って最大3年の制限を超えて派遣労働者を受け入れていたとして、東京労働局が5月28日付で認定し、同社に文書で是正指導したことがわかりました。首都圏青年ユニオンが9日、都内で記者会見して明らかにしました。
製造工程以外の派遣で自動車大手が是正指導を受けるのは初めて。本社に5年8カ月、3年10カ月派遣されていた20代の女性2人が4月、申告していました。
専門業務の事務用機器操作とされたデータ入力に専門性は必要なく、会議室予約などの一般業務が全体の1割を超えていて専門業務とはいえないとして、正社員化を求めていました。
労働局は期間制限違反と認定し、雇用の安定を前提に是正を指導。口頭で直接雇用を含む雇用確保を求めました。派遣元から期間制限の通知がないとの形式的な理由で、直接雇用の申し込み義務は認めませんでした。
日産側は、雇用関係にないとして組合の団体交渉を拒否。申告した一人は5月末で雇い止めされました。
雇い止めされた女性(28)は会見で、「日産は労働局の指導にそって正社員として直接雇用してほしい。同じ状況に置かれている人の助けになりたい」と話しました。
河添誠書記長は、「違法派遣を是正指導された以上、誠実に団体交渉に応じ、直接雇用すべきだ」とのべました。
日産グループでは、JMIU(全日本金属情報機器労組)組合員5人も5月、正社員化を求めて横浜地裁に提訴しています。