2009年6月10日(水)「しんぶん赤旗」
マツダは職安法違反
小池議員に厚労相答弁 「直接雇用勧めた」
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舛添要一厚生労働相は9日の参院厚生労働委員会で、自動車メーカー・マツダ(広島県府中町)の「派遣切り」に対する是正指導の内容について、一般論としつつも「労働者供給とみなされる職業安定法44条違反になる。きちんと厳正に指導する」と説明しました。
職業安定法は、罰則が伴うもので、労働者派遣法違反よりも強い違法性を認めたものです。日本共産党の小池晃議員の質問で明らかにしました。
「クーリング」を悪用し、いったん直接雇用にしてすぐ派遣に戻すやり方で、派遣期間の3年を超えて働かされていたとして、労働者が直接雇用を求めた申告に対し、広島労働局は違反を認め、4日までにマツダに是正指導を行いました。
小池氏は、マツダが4日の記者会見で「当社として、過去、法律違反はなかったと理解していますが、今回ご指導を受けたことは真摯(しんし)に受け止めています」などと違反を認めない態度をとっていることを示し、「マツダが労働局の指導と違うことを公然と言っている。厳正に対処すべきだ」と追及しました。
舛添厚労相は「労働者派遣法違反が明確に行われているから指導に入った。改善がなければ、さらに指導を再びやりたい」と答えました。
小池氏は、労働者は新たな仕事も見つからず、失業給付も切れていると告発し、「違反した事業主に対して、申告者を含めた雇用安定の措置を徹底すべきだ」とただしました。
舛添厚労相は「(雇用の安定のために)直接雇用の推奨などを労働局に指導した」と述べました。
職安法 職業安定法第44条では、労働者を他人の指揮下で働かせることは労働者供給事業にあたるとして、それを受けることも含めて原則禁じており、違反すれば懲役か罰金などが科せられます。労働者派遣事業は、この規定の例外として、一定の条件下で認めているだけです。