2009年5月31日(日)「しんぶん赤旗」

北核実験

国際社会の結束を

アジア安保会議 米は脅威を指摘


 【ハノイ=井上歩】英国際戦略研究所(IISS)の主催でシンガポールで開かれているアジア安全保障会議で、北朝鮮の核実験に対し、国際社会の一致結束を訴える発言が続いています。

 ゲーツ米国防長官は三十日の講演で、米国は「朝鮮半島の完全かつ検証可能な非核化を目指し、北朝鮮を核保有国として受け入れない」と強調。北朝鮮の核計画と行動が「地域の平和と安全保障に脅威を与えている」として、核物質が北朝鮮からテロ組織などに移転した場合には「重大な脅威」になるとも指摘しました。

 さらに同長官は、米国は「アジアや米国に破壊を及ぼす能力の開発を傍観しない」「地域の同盟国を防衛することを明白に確認する」と表明。北朝鮮が核開発を続ければ「(アジア)地域の軍備競争を誘発する可能性もある」との警戒感も示しました。

 オーストラリアのラッド首相は二十九日の講演で、「国際社会は北朝鮮に対して一つの声、共通の行動プログラムで対応する必要がある」と強調。国連安保理が「国際社会の団結した力を示す」試練の機会になると指摘。質疑応答で、「残念ながら効果的な方法は厳しい金融措置しかない」との見解も表明しました。

 韓国の李相憙(イ・サンヒ)国防相は三十日、「韓国政府は核問題に対して、六カ国協議の参加国、国際社会と協議し平和的に解決を図る」と強調。「北朝鮮の悪行に対して、国連安保理と国際社会が積極的な対策をとるよう要請する」と訴えました。

 また、馬曉天中国解放軍参謀次長は「朝鮮半島は非核化に向かわなければならない」と強調するとともに、地域諸国に冷静な対応を呼びかけました。



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