2009年5月31日(日)「しんぶん赤旗」
晴れて正社員
労組で団交 労働局指導
東海ロジテム 派遣切り撤回
初の実現 男性「団結の力」
「派遣切り」され正社員化を求めていた大阪府大東市のフォークリフト作業員の男性(42)が、派遣先企業との団体交渉(二十九日)で、六月一日付での正社員化を勝ち取りました。男性は「とりあえず一段落。僕一人だったら絶対、とうにやめさせられていたはず。ひとの団結力が効いた」と喜びをかみしめています。
昨年からの「派遣切り」とのたたかいで、正社員化が実現したのは初めてです。
男性は、運送会社「東海ロジテム」(本社・静岡県袋井市)大阪物流センター(大阪府大東市)で二〇〇四年十一月から働いており、直接雇用の申し出義務がロジテム側に発生する三年の雇用期間を過ぎています。
三月中旬、事業縮小などを理由に四月末日での雇い止め通告を受け、建交労大阪府本部に加入。四月下旬の団交で雇用期間を一カ月延長させ、申告を受けて大阪労働局が二十六日付で会社側に是正指導をおこなっていました。
建交労府本部によると、会社側は「(労働者派遣法に)違反していたことについて謝罪する。労働局の指導に従い、是正する」とのべたといいます。
一方、正社員の賃金改定に伴い正社員化されても月収が大きく減るため、男性は「組合が大きな力になる」と交渉で改善を求めていきたいと話しています。
たたかう労働者励ます
日本トムソン、日本輸送機などで有期契約での直接雇用を勝ち取ったのに続いて、「派遣切り」とたたかう労働者を大きく励ますものです。
「派遣切り」された労働者が労働組合に入って立ち上がり、労働局への申告と是正指導を力にして、労働組合の団体交渉で正社員化を勝ち取ったものです。「派遣切り」の多くは現行法に反しており、労働組合に入って行政なども活用してたたかえば、雇用を守ることができることを改めて示しています。