2009年5月30日(土)「しんぶん赤旗」
簡保不払い30万―40万件 総務相が見通し
山下議員が国会で指摘
かんぽ生命保険は二十九日、旧日本郵政公社の簡易生命保険契約のうち二十二万三千件を不払いの可能性が高い契約として割り出したと発表しました。
この問題は、日本共産党の山下芳生議員が四月七日の参院総務委員会でとりあげ、鳩山邦夫総務相もその後、不払いに「時効は適用しない」との姿勢を明らかにしていました。
今回の発表は、契約書類とデータの機械照合で一致しなかった百七十七万八千件を社員が目視で点検したものです。目視点検は七十六万三千件が未着手のままです。鳩山総務相は同日の閣議後の記者会見で、不払いの可能性が高い契約は最終的に三十万―四十万件に達する見通しを示しました。
これらの契約は専門知識を持つ社員が最終点検し、不払いの有無を確定後に保険金を支払います。入院保険金の日数を誤入力したケースや、退院後に支払う通院療養給付金が支払われていないケースがあるとみられます。
かんぽ生命はまた、顧客が契約を失念したり、転居で支払い通知が届かないため未請求となったりしている保険金が二千九百二十一億円に上ると公表しました。契約者には七月中旬から案内の送付を開始します。