2009年5月28日(木)「しんぶん赤旗」
家族の声聞く努力を
高橋議員 臓器移植4案で質問
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日本共産党の高橋ちづ子議員は二十七日の衆院厚生労働委員会で、臓器の移植に関する法律の改正案として議員有志から提出されている四案について質問しました。
高橋氏は、法的脳死判定基準は、六歳未満の子どもについては行えない、とされていることを指摘。現行法の十五歳以上という年齢要件を取り払い、親の承諾で子どもの臓器移植を認めるA案であっても「六歳未満の移植は行えないのは変わらないか」と質問しました。厚労省の上田博三健康局長は、六歳未満は行えないとする脳死判定基準は「変わりません」と答弁。A案提出者の河野太郎議員(自民)は、「現行の省令では判定を行うことはできない。省令が改訂されることを期待している」と述べました。
高橋氏は、子どもの虐待の有無を判断するため病院内の第三者委員会を創設するD案について、被虐待の有無の判断が脳死判定に入る前提とされているが虐待の判断について小児学会調査で34・2%が「適切に行えない」と回答し、判定には三十日から数カ月かかるという指摘もあるなかで可能なのか、と質問。岡本充功議員(民主)は、「可能な範囲で、迅速に判断していく仕組みを第三者委員会のなかで、厚生労働省令で詳細を定め、決めていきたい」と述べました。
高橋氏は、本人の意思表示がない場合は、提供するかどうかは家族の判断に委ねられることになるA、D案について、「大切な子どもを失うかもしれないというショックと混乱のなか、選択を迫られる家族の負荷は重すぎるのではないか」と述べ、臓器提供後も自分を責めるなどするドナー家族の声をもっと拾い上げ、慎重に検討すべきだと提起しました。