2009年5月18日(月)「しんぶん赤旗」

違法献金

まともな議論なし

テレ朝系小池議員 民主代表選で指摘


 日本共産党の小池晃政策委員長は十七日、テレビ朝日系の「サンデープロジェクト」に出席し、民主党・小沢一郎氏の代表辞任や、“政治が示せ、この国の将来像”をテーマに各党代表と討論しました。


自民の疑惑解明も必要

 鳩山由紀夫氏が民主党新代表に就いたことについて小池氏は、誰を選ぶかはその党の問題としたうえで、「小沢さんは『一点のやましいところもない』と説明して代表を辞め、民主党内から(西松建設違法献金事件について)何の疑問も出されず、代表選を通じてまともな議論もされなかった。しかも(小沢氏を)次の重要なポストに重用するという。国民からみれば、自民党とまったく同じ金権体質だと思われてもしようがない」と指摘しました。

 自民党の町村信孝前官房長官は「鳩山新代表のやることは(違法献金事件を)まず説明することだ」と自党のことは棚に上げて発言。小池氏は「町村さんにあのようなことを胸を張って言われるような民主党ではだめだ」と述べました。

 小池氏は、西松建設が内部調査の報告書で、献金団体はダミー(隠れみの)だったと正式に認めたことを紹介。自民や民主の政治家に合計四億八千万円献金していたことを示し、「(西松建設側は)政治家本人にお金を出したかったから、複雑なシステムをつくったことを認めている。だとすれば受け取る側の政治家に西松建設からの献金だと認識されなければまったく意味がない」と指摘。「小沢さんや二階(俊博経済産業相)さんの『相手が誰だかわからなかった』という説明は絶対に通用しない。自民党側の疑惑についても真相解明されるべきだ」と強調しました。

日本の将来像 福祉・雇用に焦点を

 討論は後半、“政治が示せ、この国の将来像”に移り、朝日新聞の世論調査(二―三月に実施)の結果で、「今の政治に不満がある」と答えた人が91%、「今の政治が社会の将来像や道筋を示していない」と答えた人も91%となったことが示されました。

 小池氏は、同じ世論調査で今後予算を増やすべき分野として医療・福祉や雇用が圧倒的に多く、予算を減らすべき分野では公共事業、軍事費(防衛費)が多いことを指摘。「ところが政府・与党の補正予算案では、白紙だといっていた(約一・五兆円の)高速道路計画が復活した。その一方で、社会保障の対策はどれも一年から三年だけの措置だ。国民の望む将来像と自民党の政治はかけ離れている」と批判しました。

 小池氏は、アメリカやイギリスでは、所得税の最高税率を引き上げて、富裕層に応分の負担を求めようとしていることを紹介し、「経済危機のなかで格差と貧困を縮小し、一番生活が大変な人に重点を置き、財政も立て直していくという将来像をもっている。ところが日本はバラマキをやって、二年たったら消費税を上げようとしている。とんでもないことだ」と述べました。



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