2009年5月16日(土)「しんぶん赤旗」

企業参入が失敗 トマト農場

紙参院議員・宮内比例予定候補ら調査

北海道


写真

(写真)倒産したトマト農場を調査する(右から)宮内、紙氏ら=15日、北海道千歳市

 参議院に回された農地法「改正」案審議に関連して、日本共産党の紙智子参院議員、宮内聡衆院比例北海道ブロック予定候補ら国会調査団は十五日、企業参入が失敗し、撤退した北海道千歳市のトマト農場を調査しました。

 東京ドームの一・五倍(七・一ヘクタール)あり、東洋一と言われたガラス温室。制御装置大手のオムロンが一九九九年に稼働させ、「糖度の高い高品質トマト」をうたいましたが、わずか三年後に撤退。引き継いだ宮崎県の造林企業の田園倶楽部北海道も昨年十二月に倒産し、従業員(最高時約百人)は全員解雇され、トマト三十五万本が放置されました。

 巨大なハウスの中を見た紙氏らは「わあ、みな枯れている。四―五年前に来た時は一面、赤く熟したトマトだったのに」と思わず驚きの声を上げました。

 ハウスは縦四百三十メートル、横幅百六十メートル。苗はカラカラに枯れた残骸(ざんがい)になり、残務整理の管理をする男性(66)は、「時には屋根のガラスが割れて落ちる」と話します。

 同行した地元の高嶋典雄農業委員は「こんな大規模では地元の人が立て直そうと思ってもムリ。相当な財源がないと」と語り、同市農業委員会の桑原正俊事務局長や太田信英農林振興課長は「地域農業活性化のためにも、なんとか早く新しい引き受け手が見つかってほしい」といいます。

 紙、宮内両氏は「働いていた人たちも解雇され、胸が痛みます」「農業は効率だけ考えて大規模にやればいいというものではないことを改めて痛感しました」と語りました。



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