2009年5月12日(火)「しんぶん赤旗」
社会保障費
2200億円削減の撤回要求
補正よりずっと国民喜ぶ
高橋議員が質問
日本共産党の高橋ちづ子議員は十一日、衆院予算委員会での質問で「(二〇〇九年度補正予算案で)十五兆円も出てくるなら、いままでの削減はなんだったのか」と述べ、社会保障費の自然増分を毎年二千二百億円削減する路線を撤回し、これまでの削減分を元に戻すよう求めました。
〇二年度から始まった削減路線のもと、社会保障費は一兆六千二百億円も削り込まれました(〇八年度)。診療報酬や介護報酬が相次いで引き下げられ、生活保護の母子加算と老齢加算も廃止されました。
高橋氏は、たび重なる診療報酬の引き下げで現場では医師不足の悲鳴が上がり、新型インフルエンザ対策も成り立たないのが実態だと指摘。医師不足の大きな要因の一つが社会保障費削減にあることを認めるよう求めました。
舛添要一厚生労働相は、「同じような問題意識をもっている」と述べました。
高橋氏は、「(減らしてきた一兆六千二百億円は)今回の補正予算案の十分の一だ」と指摘。元に戻す方が「たった一回きり、三年限りの中身(の補正予算)より、ずっと国民を喜ばせ、景気対策につながる」と主張しました。
与謝野馨財務相は「歳出改革の基本的方向性を維持しつつ、メリハリのある予算配分を行う」と述べ、二千二百億円削減の撤回を拒んだものの、与党からも強い要望があると認めました。
高橋氏は、これまでの政策の失敗が噴き出していると批判。社会保障抑制政策を大本から転換するよう求めました。