2009年4月25日(土)「しんぶん赤旗」
保育所 待機児解消急いで
夫が派遣切り。すぐ復職したい このままでは会社クビ
国に全保連が要請
全国保育団体連絡会(全保連)は二十四日、待機児解消の緊急対策と、国が性急に進めようとしている保育制度「改革」の見直しを求め、厚生労働省に要請しました。
同会が三月に実施した「入りたいのに入れない! 保育所ホットライン」には、二十一都府県の百二十六人から相談が寄せられました。
相談内容では「育児休業が終了するが保育所に入れない」が二十件と目立ち、「夫が派遣切りにあったため、すぐにでも復職したい」(京都)、「このままでは会社をクビになる」(横浜)などの切迫した声が寄せられました。
就業していても入れなかったという相談も多く、「北海道から祖母が上京して孫の面倒をみている」(東京)という例もありました。
全保連の実方(じつかた)伸子事務局長は「この十年間に保育所入所児童数は20%増えたが、認可保育所数は3%しか増えなかった」と指摘し、「待機児問題は保育所整備が不十分だったことが原因」と強調。厚労省に「地方任せにせず、国が緊急に保育所整備計画を立て、特別な予算措置をすべきだ」と要請しました。また、「直接契約方式を基本とする新保育制度の導入は混乱に拍車をかける」と述べ、見直しを求めました。
要請後の記者会見では「『保育制度の解体を絶対に許さない!』保護者のアピール」を発表。呼びかけ人の一人、東京・大田区雪谷保育園保護者の猪熊弘子さんは「これだけ待機児がいるときに、保護者が自分で保育所を探し回らなければならない制度にするのは国や自治体の責任放棄です」と話し、安心して子育てできる社会を目指して世論を広げる決意を語りました。
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