2009年4月20日(月)「しんぶん赤旗」
奨学金返済ブラックリスト化
反対訴え宣伝・署名
東京
「奨学金の会(国民のための奨学金制度の拡充をめざし、無償教育をすすめる会)」(会長・三輪定宣千葉大学名誉教授)は十八日、東京・JR御茶ノ水駅前で奨学金のブラックリスト化に反対する宣伝をしました。百十人分の署名が集まりました。
日本学生支援機構は奨学金の返済を三カ月以上滞納した利用者の個人情報を個人信用情報機関へ通報する制度(ブラックリスト化)を二〇一〇年から始めようとしています。
全日本学生自治会総連合の寺島拓人副委員長は数年前に父親がリストラされて、四月から奨学金を二つ利用するために、個人情報を個人信用情報機関へ通報する「同意書」に署名するしかなかったとのべました。「この間の経済危機で就職が決まるかわからない。返済できるのか不安。安心して学ぶためにも学費の軽減が必要だ」と訴えました。
署名に応じた大学一年生(19)=男性=は「四人きょうだいで、年子。弟も私立大学に入ったので奨学金を申請した。生活費と学費は自分で何とかする予定です。欧州やキューバと比較しても日本は教育面で貧困。教育に力を入れてほしい」と話しました。
あしなが育英会の奨学金を利用する大学二年生の女性(19)は「私たちは生活するのに精いっぱいで返還猶予されても間に合わない状況です。同意書に躊躇(ちゅうちょ)して奨学金以外の借金を重ね貧困から抜け出せなくなることはやめてほしい」と語りました。
社会人二年目の男性(24)は「景気の悪化で会社では人員削減や賃金削減が言われています。手取りが十五万円になったら、返したくても返済できないと思う」とのべていました。