2009年4月19日(日)「しんぶん赤旗」
地域医療後退させない
岩手でシンポ 老人医療無料の村に学ぶ
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後退する地域の医療と福祉を守るため自治体として何が求められるか――老人医療費を全国で初めて無料化させた旧沢内村のある岩手県西和賀町で十八日、「いのちのふるさとシンポジウム」が開かれました。
主催は、自治労連と同北海道・東北ブロック協議会、地方自治問題研究機構。自治体職員や議員ら百五十人が参加しました。
元東北大学教授の日野秀逸氏は、自治体病院はへき地医療や救急医療で大きな役割を果たしていることを強調し、「保健医療で先駆的な活動をしてきた沢内村に、今こそ学ぶべきだ」と語りました。
明治学院大学教授の河合克義氏は、介護保険制度を例に行政サービスと地域住民の実情とのずれが著しいことを指摘し、「自治体は専門家の力を借りて、地域の特性に合う施策を実施すべきだ」と述べました。
西和賀町長の高橋繁氏は、町立沢内病院が医師不足のときに住民と討論して存続への意思を固め合った経験を紹介。「病院がないと、集落から人が去っていく。絶対なくせない」と訴えると、会場から拍手がわきました。
会場からは、大迫地域診療センターを無床化された花巻市の参加者が「シンポを励みに、私たちもこれから入院ベッド復活への運動を強める」と語るなど、地域医療を守る決意を込めた発言がつづきました。
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