2009年4月15日(水)「しんぶん赤旗」

北朝鮮のロケット

議長声明を採択

　【ワシントン＝西村央】国連安全保障理事会は十三日午後（日本時間十四日未明）、北朝鮮による今月五日のロケット発射について、安保理決議一七一八「違反」であると非難する議長声明案を全会一致で採択しました。今後の発射の自制を要求し、北朝鮮の核問題での六カ国協議の早期再開を要請。問題の「平和的・外交的解決」への希望を表明しています。

　声明は、既存の安保理決議が示した北朝鮮制裁措置の厳格な履行を要請し、禁輸品目のリスト作りや、資産を凍結する北朝鮮企業リストの追加作成の方針も盛り込みました。

　同時に、六カ国協議の「すべての参加国」に対し、朝鮮半島の非核化と米朝・日朝関係正常化などを盛り込んだ二〇〇五年九月の共同声明をはじめとして共同文書の「完全履行に向けた努力を強める」ことを求めました。

　この議長声明採択について、潘基文（パン・ギムン）国連事務総長はこの日発表の声明で、「北朝鮮の発射問題に対し、国際社会が一致したメッセージを送ったことを歓迎する」と表明。「安保理の一致した対応によって、六カ国協議の早期再開や南北対話など、地域のあらゆる懸案の平和的解決に向けた努力を刷新する道が開かれることを期待する｣と述べました｡

北が「６者」離脱表明

国際社会は批判・復帰要求

　北朝鮮外務省は十四日、国連安保理議長声明に反発し、核兵器開発の再開と六カ国協議からの離脱を表明する声明を発表しました。国際社会からは、北朝鮮の声明を批判するとともに協議への復帰を強く求める声が上がっています。