2009年4月10日(金)「しんぶん赤旗」
裁判員制度
死刑判決 全員一致で
参院委 参考人が改善求める
参院法務委員会は九日、五月から始まる裁判員制度についての参考人質疑を行いました。三人の参考人はそれぞれ「裁判員制度は、従来の公判審理のあり方に反省を迫り、公判の活性化に重要な役割を果たすものだ」(大澤裕・東京大学大学院教授)など制度導入の意義を語りました。
一方、共同通信編集委員の竹田昌弘氏は、裁判員になる人の「心理的不安が大きい」と指摘。「死刑判決だけは、裁判員と裁判官の全員一致を要件とする必要がある」などの改善点を挙げました。
国学院大学の四宮啓教授(弁護士)は、裁判員に厳格な守秘義務が課せられることについて、「少し範囲が広いと思う。運用では、守秘義務違反というのは制限的にしていただきたい」と述べました。
日本共産党の仁比聡平議員は、制度導入に伴い、検察側が開示した証拠のコピーの目的外使用が禁止された問題をとりあげ、「重大事件において、裁判上の証拠をメディアなどが入手し、批判的に分析することで、冤罪(えんざい)からの救済が図られることがあると思うが」とただしました。
竹田氏は「われわれにとっては相当よくないものだ。冤罪を指摘する活動や人権にかかわる活動については、立件対象にならないようにしていただきたい」と答えました。
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