2009年4月9日(木)「しんぶん赤旗」
不当な貸し渋り是正を
大銀行、内定取り消し招く
佐々木議員
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日本共産党の佐々木憲昭議員は八日の衆院財務金融委員会で、三月三十一日に新卒者十九人の内定を取り消した中堅造船会社「カナサシ重工」(静岡市清水区)の問題を取り上げ、原因となった三菱東京UFJ銀行の貸し渋りを告発し、金融庁に調査・是正を求めました。
佐々木氏は、日銀が銀行に潤沢な資金を供給するもとでも、「大銀行は、経営の厳しい中小企業には貸し渋り・貸しはがしをしている」と批判しました。
「カナサシ重工」は、新造船の受注残が約七百二十二億円もあるにもかかわらず、メインバンクの三菱東京UFJ銀行から必要な運転資金の融資が受けられなくなり、一日から操業を停止しました。
佐々木氏は、「内定取り消しが学生と家族に大きなショックを与えている」と告発。「少なくとも四月分の給与は保証されるべきだ」とただしました。
厚生労働省の渡延忠審議官は「内定取り消しは解雇にあたる」と答弁。「合理的な理由を欠く内定取り消しは、権利の乱用であり、無効だ」と指摘。三十日前の解雇予告、もしくは解雇予告手当の不履行があれば、監督指導すると表明しました。
佐々木氏は、「事態の原因は三菱東京UFJによる融資拒否だ」と強調。「調査の上、融資を再開させるべきだ」と求めました。
与謝野馨金融相は「是正すべき点があれば、是正していただかなければならない」と答えました。