2009年4月5日(日)「しんぶん赤旗」

ボリビア 妊婦に給付金

2歳児までの母にも 貧困削減へ


 【メキシコ市=島田峰隆】南米ボリビアのモラレス大統領は三日、妊娠中の女性と二歳までの子どもを持つすべての女性を対象にした給付金制度を創設する政令を公布しました。妊婦と子どもの健康を守り、貧困を全国的に減らすことが目的です。

 それによると、全国すべての女性を対象に、妊娠中の検査一回につき五十ボリビアノ(約七百円)、出産時に百二十ボリビアノ(約千七百円)を支給します。支給は五月から始まります。

 財源は天然ガス資源の国有化による国家収入の増加分をあてます。

 モラレス大統領は、「給付金は、十分な栄養をとり、健康に生きる権利を認めた新憲法を(今年一月の国民投票で)国民が承認したことによるもの」「給付額は確かに少ないが、少しずつ前進しよう」と訴えました。

 ボリビア国営通信によると、南米の極貧国の一つである同国では、新生児一千人につき六十七人が五歳前に予防可能な病気でなくなり、十万人の出産につき三百九十人の母親が亡くなっているといいます。

 二〇〇六年一月に発足したモラレス政権は、天然ガス資源による収入増を利用して、無年金者を救う年金制度と子どもの就学支援金制度をすでに創設しています。



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