2009年4月1日(水)「しんぶん赤旗」
「北朝鮮の飛翔体発射」
自制求め国会決議
衆参本会議
国会は三十一日の衆参両院本会議で、「北朝鮮による飛翔(ひしょう)体発射に対して自制を求める決議」をいずれも全会一致で採択しました。各院の決議の案文は同一内容です。
衆院では自民、公明、民主、国民新の各党が、参院では自民、公明、民主、改革クラブの各党が提案者となりました。
日本共産党と社民党は共同提案には加わりませんでしたが、決議には賛成しました。
「安保理決議違反」記述は削除
北朝鮮のロケット発射について日本共産党は、「いまなにより重要なのは、北東アジア地域の緊張を悪化させるいかなる行為も慎むことであり、北朝鮮にたいしてはロケット発射を自制することを強く迫るあらゆる外交的努力を尽くすことだ」という立場です(二十六日、志位和夫委員長)。
三十一日に衆参両院本会議で可決された「北朝鮮による飛翔体発射に対して自制を求める決議」をめぐっては、当初自民党が提起した決議案には、「(北朝鮮の飛翔体発射は)国連安保理決議に明白に違反する」という記述が盛り込まれ、国連決議違反を前提に「断固たる抗議の意思を表明する」としていました。
こうした中で、三十日に日本共産党、民主党、社民党、国民新党の野党各党の国対委員長が対応を協議しました。日本共産党のこくた恵二国対委員長は、北朝鮮に自制を求めることには賛成だとの考えを表明。しかし、ロケット発射を弾道ミサイル計画に関連するものと断定し、「国連安保理決議に明白に違反する」との解釈にはくみし得ないとして、その文言の削除を要求。あわせて「断固たる抗議」という記述についても削除を求めました。社民党と国民新党の代表も「国連安保理決議に明白に違反する」という記述を削除するよう求めました。
野党側が与党とも折衝した結果、「国連安保理決議に明白に違反する」という記述は削除されました。「断固たる抗議」の記述が残ったため、共同提案者とはなりませんでしたが、北朝鮮に自制を求める内容であり、日本共産党は決議には賛成しました。
参院には三十日の昼に自民、公明、民主、改革クラブの四党で「国連安保理決議に明白に違反する」との文言が含まれた決議案が提出されましたが、衆院決議案での与野党合意を受け、衆院と同じ内容に修正した決議案が再提出されていました。(中祖寅一)
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