2009年3月31日(火)「しんぶん赤旗」

保育所の最低基準

今でも低すぎる

厚労省委託調査委


 厚生労働省の委託を受けて認可保育所の最低基準の調査研究を進めてきた委員会(「機能面に着目した保育所の環境・空間に係る調査研究委員会」、定行まり子委員長)が三十日、研究結果の概要を公表しました。

 概要は、現在の最低基準について「保育を行うことが不可能という状況ではないものの、(食事の場と午睡の場を分ける)『食寝分離』などさまざまな課題がある」と指摘。「現在の面積基準を…切り下げられるような仕組みを導入することは、一人ひとりの子どもの発達に応じた保育をさらに困難とする」とし、基準の設定を地方自治体に委ねる動きなどに批判的な見解を示しました。

 同委員会は、観察調査などをもとに「食寝分離」を保障するために必要な空間を算出。二歳未満児で一人当たり四・一一平方メートル(現行は三・三平方メートル)、二歳以上児で二・四三平方メートル(同一・九八平方メートル)と、「現行の面積基準以上の面積が必要」との結果を出しています。

 この調査研究は、地方分権改革推進本部が昨年六月、保育所や老人福祉施設の基準について、全国一律の基準を見直し自治体任せにする方策の検討を求めたことを受けて実施されたものです。

 同調査は、全国の保育所へのアンケートも実施。乳児クラスでは、多くの保育所で最低基準を超える一人当たり四・九五平方メートルの空間が確保されていましたが、四―五歳児クラスでは一人当たり二―二・一平方メートルが最も多く、最低基準をかろうじて確保している実情が浮かび上がりました。



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