2009年3月29日(日)「しんぶん赤旗」

後期高齢者医療導入1年

「廃止を」の声やまず

署名1千万、不服審査1万


 七十五歳以上の人を強制的に囲い込み、高齢者を医療費削減の標的にする後期高齢者医療制度。四月一日に導入から一年を迎えます。反対署名が全国で一千万人分を超えて広がるなど、制度の撤廃を求める声は続いています。


意見書可決 667議会に

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(写真)「後期高齢者医療制度はただちに廃止を」と街頭でアピールする参加者たち=2月、長野市

 国会請願署名は、昨年末までの時点で六百七十六万人分が提出されています。これは、野党が共同提案した同制度廃止法案を昨年六月に参議院で可決させ、政府・与党を追いつめる大きな力となりました。ほかにも、医師会や老人クラブなどが取り組み、厚生労働省や都道府県広域連合などにあてた署名が、少なくとも三百万人分以上集まっています。

 制度の廃止などを求める地方議会での意見書は、六百六十七議会に達しています(中央社会保障推進協議会調べ、三日現在)。不服審査請求も一万件超と、一つのテーマとしては異例の規模になっています。

 全日本民主医療機関連合会(民医連)の月刊誌『いつでも元気』編集部は二月半ば、東京・巣鴨の地蔵通り商店街で後期高齢者医療制度に「賛成・反対」のシール投票を呼びかけました。結果は「反対」が三百四十二票で「賛成」十二票を圧倒。

 「おまえはもう用ナシだ、早く死んじまえ、と宣告されたような気分」(八十六歳男性)、「いままで息子と一緒の国保に入っていたが、今度からは外される。きっぱり差別化されたと感じる」(七十五歳女性)など、怒りの声が多数寄せられました。

 「最近、廃止署名の集まりが再び良くなってきている」。民医連の湯浅健夫事務局次長はこう述べ、「昨年七月から始めた署名が、これまでに六十万筆集まった。『総選挙までに百万』を目標に取り組みを強めています」と語ります。


 不服審査請求 後期高齢者医療制度での給付や保険料などに関する行政処分に納得できないとして、各都道府県の後期高齢者医療審査会に審査を請求するもの。全国の高齢者が意見陳述のなかで制度そのものの廃止を訴えています。



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