2009年3月28日(土)「しんぶん赤旗」

今後の国会の課題

志位委員長の会見から


 日本共産党の志位和夫委員長が二十七日、予算と関連法の成立を受けての記者会見で、記者団の質問に答えて語った内容を紹介します。


来年度予算――暮らしと景気に逆行

 一、(予算成立をどう受け止めるか)きょう成立した予算と関連法は、いまの景気悪化のもとで、内需を活発にさせ、家計を応援するという中身がない。大企業と大資産家に対する優遇税制を拡大する一方で、関連法では二〇一一年度までに消費税増税法案を通すという、増税のレールを敷く内容が盛り込まれている。国民の暮らしを良くし、景気を良くすることにまったく逆行する内容であり、それをまともな審議もなしに強行したことに強く抗議する。

国会の二つの責任果たし国民の信を問え

 一、(今後の国会にどうのぞむか)予算と関連法が強行された時点にたって、今後の国会の責任ということを考えると、なすべきことが二つある。その二つのことをやって、解散・総選挙で国民の審判を仰ぐべきだ。

 一つは、西松建設からの違法献金疑惑について、国会が国政調査権を発動して徹底的な真相究明を行うことだ。この疑惑の一番の核心は、西松建設の献金を二つのダミー団体の献金であるかのように偽装し、国民を欺いていたのではないかというところにある。これは決して形式的な犯罪ではなくて、重大かつ深刻な犯罪の疑惑だ。この問題で集中審議を行い、必要な参考人招致も行い、真相を究明する、これはどうしてもやるべき仕事だ。

 もう一つは、景気悪化と雇用破壊から国民の暮らしを守るために政治の責任をどう果たすかという問題だ。景気悪化からいったい誰を守るのかの根本の議論が必要だ。すなわち大企業を守るのか、庶民の暮らしを守るのか、これが一番の肝心かなめの問題だ。この根本問題を、衆参の予算委員会で集中審議を行い国民の前に明らかにすることが、国会に求められている。

 いま年度末を迎え非常に深刻化している「派遣切り」の問題で、日本経団連、財界代表を国会に招致し、大企業に雇用に対する社会的責任を果たさせる、そういうことも含めて、国会が責任を果たす責任がある。

 西松違法献金問題の徹底究明、景気と雇用問題についての政治の責任という二つの基本問題について、集中審議と参考人招致を行い、国民の前で堂々と議論をして争点を鮮明にする。そのうえで、すみやかに解散・総選挙を行い、国民の信を仰ぐべきだということを求めたい。

 (政府からは補正予算という声が出ているが)予算成立直後に補正予算をということ自体が例がなく、強行した予算が景気対策に役に立たないということを自ら証明するものだ。従来型の大企業応援型の姿勢をいろいろ取り繕いながら続ける補正予算では意味がない。予算が通ったら、今度は補正だといって解散をずるずると先延ばしするということは道理のないやり方だ。

違法献金――参考人招致について

 一、(西松問題で参考人招致が必要な人は)まずは西松関係の人からというのが筋ではないか。

 (小沢代表の招致ということは)そのなかで必要とあらば、当然政治家の招致という問題も出てくる。

 (検察の招致は)検察側(の招致)ということは、考えていない。この問題にかかわってよく出る議論として、小沢代表の公設第一秘書の起訴について、起訴事実が、政治資金規正法違反だけで、収賄罪、あっせん利得罪が立件されなかったから形式的な犯罪なのだという軽く見る見方があるが、これは事柄の重大性をわきまえない間違った見方だ。政治資金規正法というのは、国民の不断の監視と批判のもとに政治資金の流れを置くということに立法趣旨がある。国民を欺いて西松という献金の出所を隠していたという容疑は、決して形式的犯罪の容疑でなく、政治資金規正法の根本を覆す重罪の容疑だ。そういう深刻な疑惑としてとらえていないところから、民主党にしても、自民党にしても、自浄努力が生まれてこないということになっているのではないか。

 そういう性格の疑惑だから、まずは疑惑がもたれている当事者に真実をのべてもらう必要がある。ことは西松の裏金というところから始まったことだから、まずは西松の関係者を招致するのが筋だ。自民、民主には、一貫して自浄努力を求めているが、それをやらないというのであれば、両党のしかるべき人を国会に招致することが必要になってくる。そういう仕事をいま国会がやれなければ、国民の政治不信はいよいよ深刻になる。国政調査権を発動しての真相究明は、ロッキード事件のときも、リクルート事件のときも、やったことだ。

 (参考人招致でどこと共闘するのか)すべての党に働きかける。まず西松の関係者の招致という点では、一致が得られるのではないか。少なくとも反対する理由は、どの政党にもないはずだ。


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