2009年3月28日(土)「しんぶん赤旗」

防衛相が破壊措置命令

北朝鮮「ロケット」めぐり


 政府は二十七日、国会内で安全保障会議を開きました。北朝鮮が四月四―八日の間に発射を通告している「ロケット」=「飛翔体」について「わが国領域内に落下するケースは、通常は起こらない」としつつ、「万万が一に備え」(河村建夫官房長官)て、「ミサイル防衛」(MD)能力を持つ自衛隊部隊を展開することを決めました。

 これを受け、浜田靖一防衛相は同日、自衛隊法八二条二の第三項に基づき「破壊措置」を命令しました。

 同項は、弾道ミサイルなどが日本に飛来する恐れがあるとまでは認められない場合でも、「事態の急変」に備え、防衛相があらかじめ自衛隊の部隊に対し「破壊措置」を命じることができるというものです。

 政府は、北朝鮮の国際機関への通告から、「ロケット」の一段目が日本海上に落下し、二段目は秋田、岩手両県の上空を通過し、太平洋上に落下すると推測。船舶・航空機に対し、設定された危険区域に立ち入らないよう呼びかけています。

 また、「飛翔中に事故が発生した場合」(同)に備えるとして、迎撃ミサイルSM3を搭載したイージス艦二隻を日本海に展開させ、地上発射の迎撃ミサイルPAC3を岩手駐屯地(岩手県)、秋田駐屯地(秋田県)などに配備します。あわせて「飛翔体」が発射された場合、地方自治体や報道機関に必要な情報を提供するとしています。

 日本共産党は、北朝鮮の「ロケット」発射問題で、いま何より重要なのは、関係国が北東アジア地域の緊張を悪化させるいかなる行為も慎むことであり、北朝鮮に対しては「ロケット」発射の自制を強く迫るあらゆる外交的努力を尽くすことだと主張。そうした外交的努力をまったくしないまま、軍事で身構えるという対応は、問題の外交的解決を台無しにすることになると指摘しています。


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