2009年3月26日(木)「しんぶん赤旗」
「自立支援法は違憲」
さいたま地裁 障害者らが陳述
障害者自立支援法は憲法違反だとして、埼玉県の障害者七人が本人負担分を含む福祉サービス利用料の全額負担などを国と居住市に求める行政訴訟をさいたま地裁に起こしました。二十五日に第一回の口頭弁論が同地裁で開かれ、原告ら三人が意見陳述しました。
先天性脳性まひの障害を持つ原告の男性は「自立支援法になって一番悲しかったことは作業所で働いていた仲間たちが利用者負担を理由にやめていったこと」と発言。自立支援法で生活が苦しくなり、年金生活の両親から経済支援を受けないと生きていけないとのべました。
脳性小児まひの原告の母親は、生活すべてにおいて介助なしでは生きられない女性の状況を説明し、自立支援法の区分認定調査を通じて「生きていることが否定されるように思え、涙が流れた」「施設への報酬の日払い方式は人間に対する対応なのか。強い憤りを感じる」と心情を吐露しました。
原告の男性の補佐人として陳述した福祉施設職員は、自立支援法の応益負担(一割の定率負担)が「(障害者に)人として生きることを否定したのも同然」だと指摘。「障害による不自由さを補う支援を“益”として金銭の支払いを請求されるたび、障害があることへの自責の念にかられてしまう政策が取られたことは誤りだ」と話しました。
意見陳述に先立つ訴状陳述で弁護団は、応益負担が障害者への差別であると同時に最低限度の生活を破壊し、憲法一三、一四、二五の各条に違反しているとのべました。
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