2009年3月21日(土)「しんぶん赤旗」
仏全土 300万人行動
「経済危機対策は不十分」
フランスで十九日、「経済危機のつけを労働者に回すな」をスローガンに、労働組合八組織が共同で呼びかける統一行動が取り組まれ、全国で三百万人(主催者発表。警察発表百二十万人)が参加しました。統一行動は今年に入って二度目。参加者数は一月二十九日に行われた前回(百万人から二百五十万人)を上回り、サルコジ政権が発表した国民支援策では不十分だとの国民の意思を示しました。
政府は昨年十二月、経済危機対策として、企業投資などを中心とする二百六十億ユーロ規模の経済活性化対策を発表。これに対し組合側は、購買力向上による消費の活性化が経済危機への有効な対策だとして、雇用・賃金の維持、最低賃金の引き上げなどを政府・経営者側に要求しました。
一月の統一行動の成功に押されたサルコジ大統領は二月はじめ、所得税減税など十四億ユーロ(約千八百二十億円)規模の低所得者向け支援策を提案。同月中旬に行われた政労使協議を経て、その額は、失業者手当や低学歴者対象の研修のための基金創設を含む二十六億ユーロ(約三千三百八十億円)規模に増えました。しかし組合側は、最低賃金引き上げなどについて要求が受け入れられなかったことを不満とし、この日の第二次行動に取り組んだものです。
労働総同盟(CGT)のティボー書記長は「政府が(すでに提案した)政策にしがみつくのはありえない。われわれの要求全体について再協議すべきだ」と強調。一方フィヨン首相は、「すでに多くの対策を発表した。それらは実行に移されており、その効果はこれから表れる」として、新たな支援策の可能性を否定しました。
十七日発表されたIFOP社の世論調査では、78%が十九日の行動を支持すると答えていました。(山田芳進)
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