2009年3月16日(月)「しんぶん赤旗」

厚労省通知

後期医療 保険証取り上げ

“悪質滞納者に限定”


 後期高齢者医療制度では、特別な事情もなく保険料を一年間滞納した場合、保険証を取り上げ、資格証明書を発行することになっています。厚生労働省はこのほど、資格証明書を発行する場合には、あらかじめ国に報告を求める通知を、書式を示して各都道府県の後期高齢者医療広域連合に出しました。

 後期高齢者医療制度の導入前は、七十五歳以上の高齢者は保険証取り上げの対象ではありませんでした。同制度で後期高齢者を保険証取り上げの対象としたことに強い批判が起き、国は、資格証明書の発行は「相当な収入があるにもかかわらず保険料を納めない悪質な者」に限るとしました。

 今回の通知は、この方針を踏まえ、機械的な判断で保険証を取り上げることがないよう厚労省がチェックする趣旨で出されたもので、世論と運動の反映といえます。

 「相当な収入」をどの程度とするかは、広域連合ごとに基準を決めるとされており、厚労省はこれまで、「国として一律の基準を示す予定はない」としています。一方で、今回の通知では、各広域連合間で基準が著しくかけ離れないようにするため、広域連合がつくった基準を厚労省に報告することも求めています。

 日本共産党は、二〇〇六年に後期高齢者医療制度が国会で審議されていたときから、保険証取り上げを「血も涙もないやり方。断じて許されない」(小池晃議員、〇六年六月の参院厚生労働委員会)と厳しく批判。昨年十二月にも、「高齢者から保険証を奪えば、死に直結する」(小池議員、参院厚労委)と指摘するなど、保険証取り上げをやめることを強く主張してきました。



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