2009年3月9日(月)「しんぶん赤旗」
“授業料負担 苦しい”
全教など設置ホットライン
切実な相談次々
「大量解雇・生活破壊から子どもたちを守れ!入学金・授業料・教育費ホットライン」と題する、全教(全日本教職員組合)など主催の緊急電話相談が八日、東京都千代田区の全国教育文化会館で、始まりました。
三台の電話を設置して、教員など約十人の相談員が交代で対応。午前十時の受け付け開始予定より十分も前から電話が鳴り始め、受話器を置くとすぐ次の電話がかかってくるほど、相談が殺到しました。
相談内容は「仕事が減って収入が激減。高校生と中学生の授業料負担に苦しんでいる。なんとかならないか」(山形県の男性)、「夫の体調が悪くなり、生活が大変。私立高生の子どもの授業料を滞納している」(千葉県の女性)、「おいっこが大学に合格したが、授業料負担を考え、入学を一度は断念した。自動車関係の会社に勤めていた父親の給与が半分になったからだ。しかし、本音はまだ大学に行きたいようだ。どうしたらいいか」(女性)など切実なものばかりです。
相談員の一人、全教事務職員部副部長、清水裕さん(55)は「電話では、授業料減免制度などを積極的に活用するよう話している。公的制度を利用すると子どもの経歴に書かれると心配する親が多いが、そんなことはない」と強調します。
「先生、お金がない」―。清水さんが勤める群馬県の高校では、昨年ほとんどなかった子どもなどからの奨学金の相談が、今年はもう十数件きています。清水さんは、親の雇用悪化がその背景にあると指摘します。
「派遣労働者の大量解雇が相次ぐ中で、こうした電話相談をするのは、全教としては初めての取り組み」というのは、全教中央執行委員の中村尚史さん(53)=大阪府の中学校社会科教師出身=。宣伝ポスターを百二十枚つくり、文部科学省の記者クラブで記者会見もしました。このため、新聞・テレビが取り組みを紹介、八日もテレビなどが取材、報道しました。
八日にかかってきた電話は全部で約百十件。中村さんは「今年一月に入ってから準備したので、正直いって相談電話があまりこないのではと心配していた。しかし、こんなに電話がかかってきてびっくりしている。改めて事態の深刻さを認識した」と話していました。
この電話相談は九日(正午から午後七時)まで。電話0120(56)9671。