2009年3月5日(木)「しんぶん赤旗」
現行法活用しストップ
「派遣切り」で学習会
全労連
全労連は四日夜、相次ぐ「派遣切り」に対して現行法を活用してやめさせ、雇用を守ろうと学習決起集会を東京都内で開きました。
大黒作治議長は「現行法で救済できる取り組みを強める必要がある」とあいさつ。正社員化を求めて労働局への申告を呼びかけ、「運動と世論の力で一人の不当解雇も許さないたたかいをすすめよう」と訴えました。
労働局申告をテコに正社員化などを実現させている大阪派遣・請負センター所長の村田浩治弁護士が「労働組合の力を生かす実践的労働局申告活動を」と題して講演しました。
派遣切りに対し労働組合に入ってたたかう三人が報告。二月に申告した男性(49)は、いすゞ自動車で六年も違法派遣されていたと告発。山口県内のマツダに派遣されていた男性(48)は「正社員化をめざす共闘会議を結成した」とのべ、三菱ふそうの違法派遣を申告した男性(36)も、「たたかえばできるんだと元気が出た。頑張りたい」と語りました。
小田川義和事務局長は、幅広い諸団体とともに「許すな雇用・営業・暮らし破壊」緊急行動実行委員会を発足させて取り組んでいくとのべました。
村田弁護士 労組の力発揮へ
講演した村田弁護士は、厚労省が昨年十一月、偽装請負などに対して派遣先・発注者に「直接雇用を推奨する」との通達を出したことを紹介。「世論に押されて一歩踏み込んだ指導に乗り出した。労働局への申告をテコに直接雇用を勝ち取ろう」と呼びかけました。
タイガー魔法瓶で五年も偽装請負で働かされていた労働者が会社に謝罪させ和解を勝ち取った事件をはじめ、申告して一カ月で正社員化させたケースなど豊富なたたかいの実例を紹介しました。
いずれも労働組合が支援して申告するとともに団体交渉権などを使ってたたかったことが教訓だとのべ、「申告しただけではいけない。労働組合のたたかいが必要だ。違法を認定させて是正指導を出させ、それをテコにさらなるたたかいを広げていくことが重要だ」と強調しました。
村田氏は「派遣切りは全労働者の問題。年度末に向けてさらに派遣切りが予想されるなかで労働組合の力を今こそ発揮してほしい」とのべました。