2009年2月26日(木)「しんぶん赤旗」
賃金支払いが優先
派遣会社倒産 佐々木議員に財務相
衆院財金委
日本共産党の佐々木憲昭議員は二十四日の衆院財務金融委員会で、倒産した派遣会社の売掛金を国税庁が差し押さえた問題を取り上げ、「労働者の命、生活を守る立場で是正せよ」と求めました。与謝野馨財務相は、労働者の賃金は税金の回収よりも優先するとの見解を示しました。
佐々木氏は、経営不振で倒産した派遣会社にたいし、税務当局が滞納した税金を取り立てるために、同社の売掛金を差し押さえた事例を示しました。
佐々木氏は、「派遣会社の売掛金には、同社が労働者に支払うべき賃金が含まれている」と指摘。「税金よりも賃金の支払いを優先すべきだ」と主張しました。
与謝野財務相は「私が弁護士なら、労働債権をまとめて回収し、租税債権より先取特権があることを主張する」と答弁。税金の回収よりも、労働者の賃金支払いが優先するとの考えを示しました。その上で、法律の適用については「妥当性が必要だ」と指摘し、行政も柔軟に対応する必要があるとの見解を述べました。
佐々木氏は、企業が倒産した際の「未払い賃金の立て替え払い制度」について、計算の基準が狭すぎることや支払いまでに時間がかかる問題について、「労働者の生活を守る立場で改善を」と求めました。
これにたいし厚生労働省の渡延忠大臣官房審議官は、「対象賃金には、超過勤務手当も対象になる」と答弁。立て替え払いに要する時間についても「早期実施について強力に取り組む」と述べました。
未払い賃金の立て替え払い制度 企業が倒産したために、賃金が支払われないまま退職した労働者にたいし、その未払い賃金の一定割合を支払う制度。労働者健康福祉機構が企業に代わって支払います。
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