2009年2月24日(火)「しんぶん赤旗」
授業料払えぬ 高校生救え
石井議員、国に迫る
「最大限に努力」 官房長官
減免制度創設も要求
河村建夫官房長官は二十三日、衆院予算委員会で、高校の学費問題について、「家庭の経済状況で就学の機会が失われることは何としても避けなければいけない。子どもたちの就学の機会確保について最大限努力する」と述べました。日本共産党の石井郁子議員にたいする答弁です。(Movie)
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石井氏は、経済と雇用の悪化で授業料が払えず、高校を卒業できなかったり、中退をせざるを得ない生徒が多数生まれていることを指摘し、「国の責任で、経済的理由で卒業できない生徒をなくすべきだ」とただしました。
日本私立中学高等学校連合会の調査(二〇〇八年末時点)では、私立高校の授業料滞納者が二万四千四百九十人で、全生徒の2・7%にのぼる深刻な状況になっています。
石井氏は、昨年単身赴任の父親が解雇され、母親は幼い弟妹の世話で仕事ができず、学費の支払いが絶望的になり自主退学した生徒の例など、現場の深刻な実態をつきつけ、「国公私立の経済的理由による高校中退を含めた学費滞納状況の緊急調査を行い、対応すべきだ」と求めました。
塩谷立文部科学相は「今後どう調査ができるか検討したい。滞納者数が増えているので、注意深く検討し、対応していく」と述べました。
現在、都道府県が独自の基準で、高校授業料の減免をしています。しかし、減免対象は、北海道は年収四百二十七万円以下、千葉県は所得二百五十万円以下など都道府県により基準にばらつきがあります。
石井氏は、今年度末に二千五百―三千人の高校生が学費を払えずに退学する事態も予想されると指摘し、無償化を進めるべきだとしつつ、差し迫った問題として「国の責任で授業料減免制度と直接助成を創設すべきだ」と迫りました。
塩谷文科相は「高校(学費)の無償化も、教育に対する家計の負担がどうあるべきかという基本的な考え方も入れながら、検討していきたい」と答えました。
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