2009年2月22日(日)「しんぶん赤旗」
派遣切り撤回迫る
1人では相手にもされなかったけど
会社と対等 「組合すごい」
名古屋北部青年ユニオン
「組合ってすごい」。派遣などで働く青年労働者で作った全労連・全国一般労働組合加盟の「名古屋北部青年ユニオン」(名古屋市)が元気です。昨年十二月、四人でスタートした組合は二十人に増えています。パナソニックや三菱電機など大企業の派遣切りとたたかっています。
福岡県出身の勝山大樹さん(33)=仮名=は、生まれて初めてユニオンの仲間とともに行った団体交渉に感動しました。一人では相手にされなかった会社と対等に交渉できたのです。
勝山さんが青年ユニオンに加入するきっかけは、日本共産党北西地区委員会が行っている「何でも相談」でした。
派遣労働者の勝山さんは、愛知県春日井市のパナソニックエコシステムズで空気清浄機の製造に携わってきました。
一方的に通告
二〇〇八年十月から今年三月三十一日までの契約期間で名古屋市内にある寮に住み、春日井市の工場までシャトルバスで送り迎えされる毎日でした。
勝山さんが働くラインは昨年十一月ころから仕事量が減りだしました。十二月になって「来月でおわりになる」と一方的に解雇通告されました。
「寮はどうなるのか」。勝山さんの一番の心配事でした。派遣会社と交渉し、一月いっぱいは寮にいてもいいことで話がつきましたが、次の仕事がない限りホームレスになることは確実でした。
敷居高かった
寮はUR(都市再生機構)の団地の一室でした。同じ団地に住むタクシー運転手に言われました。「相談するなら共産党がいいぞ」。宗教団体に入っていた勝山さん。「共産党へ相談にいくのは敷居が高かった」といいます。
生活保護を受けるために区役所を訪れた時にも別な人に聞いてみました。
「共産党に相談して大丈夫でしょうかね」。「労働相談なら共産党でしょうね」という返事でした。それで「意を決して」日本共産党の事務所を訪ねました。
日給八千円。寮費二万五千円、光熱水費約四千円、社会保険料などを差し引くと「お金はたまらなかった」という勝山さん。紹介された名古屋北部青年ユニオンに加入しました。
ユニオンの仲間とともに、派遣会社に対しては契約途中の解雇の撤回を求めて団交しました。
勝山さん一人で話し合っていた時は「寮は追い出すぞ」「失業手当が出なくなるぞ」などと脅かしをしていた派遣会社は、契約満期までの給料の支払いや有給休暇の取得に応じる姿勢をしめしています。
派遣先のパナソニックエコシステムズには直接雇用をするように団交を申し入れています。二十四日には、パナソニック、三菱電機、三菱重工などの派遣労働者らが労働局に集団申告をします。
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