2009年2月20日(金)「しんぶん赤旗」
グアム協定
際限ない負担強いる
笠井議員追及 基地強化 首相認める
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日本共産党の笠井亮議員は十九日、衆院予算委員会で質問し、十七日に日米両政府が結んだ巨額の日本側負担を強いる在沖縄米海兵隊のグアム「移転」協定について、「中川辞任問題の背後で国会の議論もなしに決めた。くらしと経済が大変なときに国民は到底納得しない」と麻生太郎首相の姿勢をただしました。
笠井氏は、協定でグアム基地増強のための経費約六割(約六千億円)を日本側が拠出することに、「世界に類例のないもの。日米安保条約・地位協定にも定められていない。米領土の基地計画に対する日本側の負担が許されるのか」と追及。麻生首相は「制限する法律はない」と居直りました。
麻生首相の米軍再編は「抑止力の維持」と「地元負担の軽減」になるとの主張に対し、笠井氏は浜田靖一防衛相が「負担軽減が実現していないという指摘を重く受け止めている」と国会答弁したことを示し、「『軽減』どころか強化が実態だ。協定には『抑止力を強化する』とはっきりと書いてある」と指摘。協定は「沖縄の新基地建設とワンパッケージ(ひとまとめ)で県民の反対を抑えつけ、(米軍再編を)国際約束で押し付けるものだ」と批判しました。
麻生首相は「協定に書いてある通り」「抑止力の向上になるなら歓迎する」と強化の実態を認めました。
また笠井氏は、米軍再編の日本側負担は総額三兆円規模とも言われているが、「負担総額はいくらか。これ以上日本は負担しないという上限はあるのか」と追及。麻生首相は「まだ調整中」と示しませんでした。
笠井氏は、二十四日予定の麻生首相とオバマ米大統領との首脳会談について、「アフガニスタン戦争での巨額な軍事負担や、アメリカの経済対策実行のための米国債引き受けの要求を受けるのか」と質問。麻生首相は「仮定の質問にはお答えできない」などと述べました。
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