2009年2月17日(火)「しんぶん赤旗」

「派遣先が雇用に責任を」

景気悪化社会保障 公述人が対策求める

衆院予算委中央公聴会


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(写真)公述人に質問する吉井英勝議員(左)=16日、衆院予算委員会公聴会

 衆院予算委員会は十六日、中央公聴会を行い、深刻な景気悪化や雇用・社会保障問題などについて公述人が意見を述べました。

 年末年始の「年越し派遣村」村長を務めたNPO法人「もやい」の湯浅誠事務局長は「三月に大量の人が首を切られ、万単位の人が路頭に迷うことになる。ほっておくと自殺者は増える」と警告し、シェルターや総合相談窓口を全国各地につくることや、寮から強制的に退去させられる人がいなくなるような対策を求めました。

 全国保険医団体連合会の住江憲勇会長は「社会保障の拡充は国民の命と健康を守るだけでなく、個人消費を高め、新たな雇用を生み出す景気対策でもある」と指摘し、無保険者を解消し、患者窓口負担を二割に引き下げるなどの「景気悪化から国民の健康を守る緊急提言」の実現を求めました。

 日本共産党の吉井英勝議員は、一九九九年の労働者派遣の原則自由化後「進行しているのは、労働者の権利の破壊、究極の人間性の破壊ではないか」とただしました。湯浅氏は「派遣先が労働者雇用に直接責任を負うことが必要だ。製造業での派遣労働禁止に加えて、それを検討していただきたい」と答えました。

 日本共産党の笠井亮議員は、社会保障費の年二千二百億円削減路線が医師不足などを招いたと指摘し、「社会保障機能強化には何が大事か」と質問。住江氏は「いまこそ社会保障のもっている再分配機能を強化すべきだ」と答えました。

 三菱UFJ証券チーフエコノミストの水野和夫氏は、吉井氏から「今回の危機はアメリカ発というひとごとでなく、日本の経済金融政策の責任が問われているのではないか」と問われ、「そのように考えている。消費主導の景気拡大をしたアメリカに投資したのが、日本などの輸出国だった。(金融危機を)アメリカ発ととらえると今後の対処方法を誤ってしまう」と応じました。

 みずほ総合研究所チーフエコノミストの中島厚志氏は、世界的な経済危機に関連し「内需にウエートがある国は内需で下支えするので、景気悪化は緩やかだ。一方、輸出にウエートがある日本などの国は厳しい景気悪化になる」と述べました。



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