2009年1月7日(水)「しんぶん赤旗」

雇用・暮らし危機の根本原因にメスを

財政演説にたいする

佐々木議員の代表質問

衆院本会議


 日本共産党の佐々木憲昭議員が六日の衆院本会議で行った財政演説にたいする代表質問の要旨は次の通りです。


写真

(写真)代表質問にたつ佐々木憲昭議員=6日、衆院本会議

 緊急課題にしぼって質問します。

 第一は、雇用と中小企業対策です。

 突然の解雇で仕事と住まいを失った労働者に、生活と住居を保障し再就職を支援することは緊急課題です。市民・労働団体の尽力でつくられた「年越し派遣村」は、労働者の命を守るうえで大きな役割を果たしました。

 今日横行している大量解雇は、相次ぐ労働法制の規制緩和によって引き起こされた政治災害です。したがって、これらの方々の生活と住まいの保障は、政府の責任で行われるべきものです。

 政府は、仕事と住まいの確保、生活保護の弾力的な活用に、正面から取り組むべきです。

 今年三月までに、非正規労働者が少なくとも八万五千人解雇されるとしています。派遣労働者の多くが契約切れとなる「二〇〇九年問題」が現実化すれば、「首切り」の波が大きく膨れ上がることは確実です。

 日本の大手企業は「減益」だ「赤字」だと言っていますが、明日にでもつぶれるような状況ではありません。大手企業のほとんどが、株主に巨額の配当を続け、膨大な内部留保を持っています。

 総理は、大手企業にたいして、正面から非正規労働者の「首切り」を中止・撤回するよう求めるべきです。

 下請け中小企業も、親企業から突然、発注を打ち切られたり、単価引き下げを強要されたりするなど、深刻な事態を招いています。不当な下請けいじめを許さず、銀行の貸し渋り・貸しはがしを規制しなければなりません。

 第二は、国民負担と社会保障の問題です。

 第二次補正予算案の中心は「定額給付金」です。公金を使った「選挙買収」ではないかと多くの国民から厳しい批判を浴びています。総理は、この批判をどう受け止めているのでしょうか。

 小泉内閣以来、国民負担増は四十六項目におよび、年十二兆七千億円も増えました。国民一人あたり十万円の負担増です。ほんの一瞬、一万二千円か二万円の「給付金」をばらまいても、二〇一一年度にも消費税増税を押しつけようというのでは、ますます消費を冷やすことになります。今、緊急にやるべきことは、消費税の減税、とりわけ食料品の非課税であります。

 後期高齢者医療制度は一年を経過しますが、受診抑制が広がり、保険料を払えず保険証を取り上げられるなど、深刻な矛盾が噴出しています。ただちに廃止すべきです。

 実質的に破たんした社会保障費年二千二百億円の削減方針を撤回し、社会保障の充実に転換すべきです。

 深刻な経済危機を打開し、日本経済を再生するためには、危機を招いた根本原因にメスを入れ、それを取り除くことが必要です。

 一つは、大企業による「非正規切り」を許している労働法制の問題です。

 労働者派遣法は、一九九九年の改悪以前に戻し、登録型派遣は原則禁止、受け入れ先企業が違法行為を行ったときは正社員化を義務付けるなど、抜本改正を行うべきです。

 二つ目は、アメリカ頼みの経済構造にメスを入れることです。

 この間、一握りの輸出大企業が空前のもうけをあげた半面、中小企業は疲弊し、労働者の賃金は引き下げられ、非正規雇用への置き換えが進みました。その上、庶民増税と社会保障切り捨てが追い打ちをかけました。

 いま求められているのは、「外需依存から家計中心の内需主導」に日本経済の体質を抜本的に転換することです。

 三つ目は、日本の金融・証券市場の規制緩和の問題です。

 いまや、東京証券取引所の株式売買の六―七割をアメリカ中心の外国人投資家が占め、そのほぼ半分以上はヘッジファンドだと言われます。

 株の売買で利益を稼ぐことだけを目的とした投機的行動が、幅をきかせるようになり、これが金融危機のもとで、株価の大暴落を引き起こし、日本経済に甚大な打撃を与えたのであります。必要なのは、投機を規制し市場に公正・公平なルールを取り戻すことです。

 この三つの問題に取り組む改革を実行してこそ、日本経済を再建の軌道に乗せることができます。



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