2008年12月23日(火)「しんぶん赤旗」

派遣先が直接雇用

浜松・日系ブラジル人 労組結成を力に


 日系ブラジル人の派遣労働者で結成したJMIU(全日本金属情報機器労組)静岡西部地域支部の分会が、派遣先の自動車部品会社(浜松市)と団体交渉し、来年一月に直接雇用することで二十二日までに合意しました。組合側によると、直接雇用の対象はすべての派遣労働者で約五十人。「派遣切り」が相次ぐなか、労組を結成し要求を大きく前進させました。

 合意では、派遣先が労働者全員(派遣会社は複数)に直接雇用を申し入れます。賃金などの労働条件は派遣元の条件を下回らず、三カ月の雇用契約は原則更新されます。

 組合員には、約三カ月の雇用契約を十年ほど更新してきた人もいます。偽装請負や派遣期間の制限違反、社会保険の未加入、有給休暇がないなど、違法と無権利な働かされ方の解決を求め、立ち上がりました。

 分会は、派遣元に社会保険の加入を求めた一人が解雇されたことから、十月に結成。その直後にも役員一人が解雇されました。分会は、派遣元との団体交渉で二人の解雇を撤回させ、派遣元から派遣先に直接雇用の申し入れを行うよう求めることで合意。これを受けた団体交渉で派遣先が直接雇用の申し入れを表明しました。

 JMIU静岡西部地域支部には多くの外国人労働者が加入しています。青木克之書記長は、「労働組合を結成してたたかった大きな成果です。引き続き正社員化を求めていきたい。『派遣切り』を許さない全国のたたかいを大きく励ますものです」と話しています。



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