2008年12月22日(月)「しんぶん赤旗」

予算案―大企業には立派なシェルター

国民には破れ傘一本

NHK番組小池氏指摘


 二十一日放映のNHK番組「日曜討論」で日本共産党の小池晃政策委員長は、麻生内閣が閣議決定した二〇〇九年度予算の財務省原案と〇八年度第二次補正予算案について「(政府・与党は)『百年に一度の暴風雨』に対応しているというが、大企業・大銀行には立派なシェルターを用意し、国民には破れ傘一本だ。三年後には消費税増税というもっとすごい大暴風雨が用意されている」と指摘しました。

 小池氏は、年間十三兆円もの国民負担をそのままにして一回限りの「定額給付金」では暮らしも景気もよくならないこと、米軍再編経費は前年度比三・五倍になっている問題などを詳述し、「大企業いいなり、アメリカ言いなりの無慈悲、無責任の予算だ」と批判しました。

 財務省原案で、社会保障予算の削減幅が年金特別会計の「埋蔵金」などから千九百七十億円をあてることで二百三十億円に“圧縮”されたことについて小池氏は、「二千二百億円の削減路線をなぜ撤回しないのか。冷房を入れた部屋に冷えすぎたからストーブをもっていってあっためるみたいな方法だ。しかも(削減の穴埋めの財源は)一時しのぎだから、来年以降どうなるのかまったく見えない」と指摘。米軍に対する「思いやり予算」・米軍再編経費二千八百七十億円を削れば二千二百億円の削減路線はやめることが可能だと提起しました。

 自民党の園田博之政調会長代理は「(野党の)みなさん方の意見は半分以上認める」と発言。社会保障予算の削減路線についても「やっぱり相当無理がきた。削減計画としては、スジのいい方向ではない」と述べました。

 麻生太郎首相が掲げる二〇一一年度の消費税増税の方針について園田氏は「麻生首相は勇気あることをいっている」と評価。小池氏は「いま『派遣切り』にあっている失業者、高齢者、低所得者は10%の消費税を払えない」と消費税増税の重みを告発したうえで、「中期プログラム」では二〇一一年度に法人税の実効税率引き下げも同時に行うとなっていると指摘し、「結局、消費税を上げて大企業減税に使うとなる。負担能力に応じて負担するのがスジだ。大企業や大資産家には七兆円も減税しているのだからそこを見直すべきだ」と主張しました。


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