2008年12月10日(水)「しんぶん赤旗」

輸入事故麦届け怠る

検疫所が不適切処理厚労省、徹底を約束

（写真）質問する紙智子議員＝９日、参院農林水産委

　国が行う小麦の輸入（国家輸入）の過程で発生した事故小麦が「非食用」として国内に流通していた問題で、輸入業者と厚生労働省検疫所が、食品衛生法施行規則に定められた届け出を怠っていたことが九日、日本共産党の紙智子参院議員の参院農水委員会での追及で分かりました。

　厚生労働省は、事故米だけでなく事故小麦でも事実上違反行為があったことを認め、輸入業者と検疫所に対し、同法にもとづく事故小麦の検疫所への届け出を周知徹底していくと約束しました。

　同省の石塚正敏審議官は、二〇〇三年度から今年度までに発生した十二件の事故小麦（農水省報告）について、食品衛生法にもとづく報告を輸入商社に求めたところ、同法施行規則で定めた検疫所への届け出が三件行われていませんでした。

　また、検疫所が連絡を受けながら、その届け出を不要であるなどとして提出させなかった不適切なケースも六件ありました。残りの三件については調査中であるとしています。

　小麦の輸入については、初回の届け出だけでくり返し輸入できる「計画輸入制度」が適用されています。

　紙議員は「究極の規制緩和である計画輸入制度で発生した事故小麦について、最低限の規定すら守られていないのは問題だ。国民の食の安全・安心の立場で厳格にとりくむべきだ」と指摘しました。

　紙議員は、事故小麦の流通問題を十一月十三日の同委員会でとりあげ、同省は同法にもとづく調査を約束していました。

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