2008年11月20日(木)「しんぶん赤旗」
結果公表「ルール違反」
学力テスト 石井議員に文科相
衆院委
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塩谷立文部科学相は十九日の衆院文科委員会で、各地で広がりつつある全国学力テストの公表について、政府の実施要領に反することを認めました。日本共産党の石井郁子議員への答弁です。
学力テストの実施要領は「序列化や過度な競争につながらないよう十分配慮」、都道府県教育委や市町村教育委は「市町村名・学校名を明らかにした公表は行わない」と明記しています。
ところが、鳥取県南部町が十月二日に学校別成績を公表し、大阪府の橋下徹知事も同十六日に、予算の裏づけにするためという口実で府教育委に知事に出させた市町村別のテスト結果を部分的に開示しました。
石井氏は「これがまかり通ったら、全国に波及してしまう」と告発。塩谷文科相は、各地の公表について「(実施要領に)反している」と明言しました。橋下知事が実施要領にしばられないと主張していることについて、「無謀な考え方」で「遺憾」と述べるとともに、「全くのルール違反だ」と答えました。
石井氏は、大阪府が開いた校長や管理職が対象の研修会(六日)では、講師が「目的のためには手段を選ぶな」などと講演している実態も示し、学力テストを続ければ点数競争がいっそう激化すると批判。塩谷文科相は「大阪の事例は趣旨に反することがたくさんある。序列化や過度な競争心をあおるためにやっているわけではない」と釈明しました。
石井氏は「現場がこれほど混乱、矛盾を起こしている全国学力テストは、もうやめるべきだ」と求めました。