2008年11月14日(金)「しんぶん赤旗」

年金財政

9・5兆円損失の恐れ

小池議員 株運用見直すべき


 日本共産党の小池晃議員は十三日の参院厚生労働委員会で、金融危機による株価下落が年金財政に深刻な影響を与えている問題をただしました。

 公的年金の資産は、「年金積立金管理運用独立行政法人」が株式や債券に投資して運用しています。小池氏は、同法人が使っている指標でも国内株式が32・6%、外国株式が40・6%それぞれ下落していることを挙げ、国内株式で約四兆九千億円、外国株式で約四兆六千億円、合計約九兆五千億円も年金資産が減少しているとの独自の試算結果を提示しました。

 厚労省の渡辺芳樹年金局長は、「厳しいものが予想されるが、近々予定される公表を待ちたい」と明言を避けました。

 小池氏は、「十兆円近い損失が出ようとしているのに、厚労省は次回の年金再計算で二〇〇四年時点で想定した利回りを上回る設定をしている。あまりに甘い見通しだ」と指摘。アメリカなどでは年金の株式運用をしていないことを示し、「国民の貴重な財産である公的年金資金を、株式などでリスク運用することを考え直すときだ」と求めました。

 舛添要一厚労相は「難しい問題だが、長期的に見てほしい。完全に株式運用を排除するのはいかがか」などと答弁。小池氏は「長期的に見ろというが、〇七年度までは八兆八千億円のプラスだった。それが、このままでは今年分で、すべて使い果たして利回りがゼロになりそうだ。こんな危険な運用は、見直すべきだ」と要求しました。



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