2008年11月12日(水)「しんぶん赤旗」

国保料滞納世帯の保険証

18歳未満全員に交付へ

市民や共産党の運動実る

札幌


 子どもから国民健康保険証を取り上げ、病院にかかる機会を奪う自治体が相次ぎ、大きな社会問題となっているなか、上田文雄札幌市長は十一日に記者会見し、国保の資格証交付世帯であっても、十八歳未満の子どもについては一年間有効の保険証を交付すると表明しました。


 市の調査で国保証のない子どもは九百八十四人。

 道生連と札幌社保協は七日、「滞納に責任のない子どもから保険証を取り上げないで」と緊急に要請し、十二月一日に国保証更新日が迫っており、至急対応せよと求めました。

 日本共産党市議団も十月市議会で「資格証明書の人は病院で医療費を全額払わなければならず、国保証の人と比べて受診機会が七十八倍の格差がある」と事実を示し、すべての子どもに無条件で保険証を交付すべきだと要求していました。

 上田市長は「子どもが医療を受けられるかどうかは第一義的には親の問題」との態度に固執していましたが、市民の運動と党市議団の追及もあり、交付すると述べたものです。

 会見で、上田市長は「資格証明書の発行が保険料の納付義務のない子どもの受診抑制につながっていると指摘されている」「世帯主の納付状況と子どもが等しく必要な医療を受けられることは別の問題」との認識に立ったとし、市議会で「子どもの権利条例」を制定した趣旨も入れ、十八歳未満まで対象にしたことを明らかにしました。



■関連キーワード

もどる
日本共産党ホーム「しんぶん赤旗」ご利用にあたって
(c)日本共産党中央委員会
151-8586 東京都渋谷区千駄ヶ谷4-26-7 TEL 03-3403-6111  FAX 03-5474-8358 Mail info@jcp.or.jp