2008年11月7日(金)「しんぶん赤旗」
2カ月で閉園 東京都の保育所
認証前から系列園で給料遅配
2カ月分が未払い
エムケイグループ(東京都豊島区)が運営する東京都の認証保育所「ハッピースマイル東中野駅前園」が開園からわずか二カ月で閉鎖した問題で、同園が都の認証を受ける前から系列の園では給与の遅配が繰り返されていたことが六日、関係者の証言でわかりました。同園は開園当初から給料の未払いが起きており、都の認証体制に疑問の声が上がっています。
給料トラブルがあったと証言したのは、さいたま市内のハッピースマイル園で働いていた保育士。給料が遅れだしたのは、ことし四月からといいます。毎月二十五日に振り込まれるはずの給料が、この月から数日遅れて振り込まれるようになり、毎月のように遅配が続きました。
八月上旬に系列の園長が集まった会議では、運営会社からは「もう遅れることはない」という説明があったといいます。八月は給料日に振り込まれたものの、九月になると二日に分けて半分ずつ払われ、九月分と十月分は支払われなかったといいます。川崎市の系列園では九月、入居施設の家賃未払いも問題となっていました。
同園の職員募集のためにエムケイグループが出した無料求人誌の広告には「正社員、月給、十九万五千百二十五円〜」と記載していました。
ところが採用後の会社の説明では、この「月給」とされた額は年俸の月割りしたもので、精勤手当なども含んだ額との説明を受けたといいます。
また三カ月間の試用期間中に閉園となったため、職員は雇用保険や健康保険、厚生年金にも未加入の状態だったといいます。
関係者によると、同園の職員は開園前の八月から雇用されていました。八月分の給料は、九月二十五日と翌日に二回に分けて振り込まれました。
しかし十月二十四日に振り込まれるはずの九月分給料は支払われませんでした。会社は職員に一方的に解雇通告をしましたが、九月、十月分の給料が未払いのままです。
都の認証保育所である同園は運営補助金として中野区から一千四百三十一万円、杉並区と新宿区からも合わせて約四十六万円を受けていました。
認証の際に都は「施設の家賃一年分に相当する貯金を持っているか、過去三年の決算を見て損益がないか調べた」としています。