2008年8月14日(木)「しんぶん赤旗」
拉致再調査 秋に結果
日朝協議合意
制裁の一部解除へ
中国遼寧省瀋陽で開かれていた日朝実務者協議は十三日未明、「生存者を発見し帰国させるため」の拉致被害者の再調査に関し、北朝鮮側は「権限が与えられた調査委員会」を設置し、可能な限り今秋に調査結果をまとめることで合意しました。調査委員会は今月中にも設置されるとみられます。
日本側は調査開始と同時に経済制裁の一部を解除し、北朝鮮からのチャーター便乗り入れや人的往来の制限を緩和すると表明しました。
日朝双方は、▽北朝鮮は進ちょく状況について日本側に随時報告して協議する▽生存者が発見されれば日本側に伝達し、その後の段取りを協議する▽北朝鮮は、日本側が関係者の面談や関係資料の共有、関係場所への訪問を通じ、調査結果を直接確認できるよう協力する―など、調査の進行をチェックする仕組みをつくることでも合意しました。
協議終了後、斎木昭隆外務省アジア大洋州局長は記者団に対し、「一歩前進だ。調査委を一日も早く立ち上げて、調査をしっかり進め、被害者の速やかな帰国につながることを切に願っている。今までの調査内容と違うものであることを期待している」と語りました。
北朝鮮の宋日昊(ソンイルホ)・国交正常化交渉担当大使は、「日本が今回の合意を破るとかすれば、すべて壊れる。わたしたちも必要な措置を取る」と述べました。
日航機「よど号」ハイジャック事件の実行犯らの引き渡しや、人道支援物資の輸送に限定した万景峰号など北朝鮮船舶の入港については結論が出ず、引き続き協議していくことになりました。
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