2008年8月2日(土)「しんぶん赤旗」
久間元防衛相・秋山容疑者に新疑惑
高速艇代理店権獲得で動く
日曜版スクープ
久間章生元防衛相と脱税容疑で逮捕された日米平和・文化交流協会専務理事の秋山直紀容疑者が米企業の軍事用高速艇の代理店権獲得をめぐる動きに関与していたことが「赤旗」日曜版編集部の調べで分かりました(日曜版八月三日号で詳報)。
この高速艇はアメリカの「M Ship」社(M社)が開発したもの。特殊作戦部隊を敵地に素早く送り込むことを目的としており、日米の軍事関係者に注目されていました。
高速艇は、軍需商社・山田洋行が日本の代理店権を獲得し、防衛省に売り込みを狙っていました。
山田洋行元幹部によると、久間氏と秋山容疑者は、二〇〇六年八月に山田洋行関係者とともに、米国のM社を訪問しました。
久間氏は日曜版編集部の取材に「『面白い乗り物があります』と秋山君がセッティングして、米海軍の基地内で高速艇に試乗した。基地までは山田洋行の関係者が運転してくれた」と認めました。一方で、「行ったのは防衛庁長官就任前で、山田洋行に肩入れするような発言はしていない」としています。
山田洋行は秋山容疑者が関係する団体に、コンサルタント料などの名目で少なくとも三億円を払っています。また、贈賄罪で起訴された元専務が、久間氏と秋山容疑者を〇六年十二月にすっぽん料理屋で接待していたことも判明しています。
山田洋行は、防衛省の次期輸送機(CX)エンジンの代理店権を維持するため、久間氏と秋山容疑者に米国元国防幹部への“工作”を依頼していたことも、日曜版編集部が入手した同社の社内メールなどから発覚しています。
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