2008年7月25日(金)「しんぶん赤旗」

秋山常勤理事を逮捕

脱税容疑 防衛利権パイプ役


 軍需関連企業からのコンサルタント料を隠し、脱税したとして、東京地検特捜部は二十四日、所得税法違反容疑で、防衛関連の社団法人「日米平和・文化交流協会」(東京都千代田区)常勤理事秋山直紀容疑者(58)を逮捕、東京国税局と合同で同交流協会などを家宅捜索しました。

 秋山容疑者は、日米軍需企業と政界・防衛族議員を結ぶ「パイプ役」とされます。

 調べによると、秋山容疑者は自らが管理する米国法人三社の口座にコンサル料などを入金させる方法で、二○○五年までの三年分の所得計約二億三千二百万円を隠し、計約七千四百万円を脱税した疑い。

 三口座は、秋山容疑者が顧問を務める「アドバック・インターナショナル・コーポレーション」や理事を務める非営利団体「カウンシルフォーナショナルセキュリティ」など。いずれも実態のないダミー会社の疑いがあるといいます。

 振り込まれた資金は、秋山容疑者の指示で入出金され、一部がアドバック口座を通じて日本国内に還流していました。

 アドバックなどには、軍需商社「山田洋行」をはじめとする複数の商社やメーカーから多額のコンサル料が振り込まれていました。担当者らは「アドバック名義などを送金先に指定されたが、支払いは秋山氏個人に対してだった」と証言しています。


徹底解明求める

井上参院議員談話

 秋山氏の逮捕について、日本共産党金権腐敗政治追及委員会事務局長の井上哲士参院議員は次の談話を発表しました。

 参議院での秋山氏の参考人質問、山田洋行の宮崎元伸元専務の証人喚問を通じて、秋山氏の疑惑は決定的なものとなっていました。今回の逮捕は当然であり、徹底した事態解明が求められます。

 秋山氏が日米軍需産業のフィクサーとされ、その足場とされた「日米平和・文化交流協会」には、歴代の防衛庁長官、防衛大臣や日米軍需産業の関係者、防衛族と呼ばれる政治家が参加しており、年間二兆円をこえる装備などの調達にかかわる利権が指摘されてきました。

 そのなかで、わが党は久間章生元防衛大臣など関係者の証人喚問を求めてきましたが、国会の場でも日米防衛利権にかかわる全容解明のため、今後も力を尽くします。



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