2008年7月17日(木)「しんぶん赤旗」
EUが漁業支援策
休業補償など3320億円
【パリ=山田芳進】欧州連合(EU)農漁業相理事会は十五日、燃料費の高騰に直面する漁業部門に対し、緊急援助と長期的な構造改革援助を含む総額二十億ユーロ(約三千三百二十億円)の支援策を講じることで合意しました。
支援策には、三カ月を上限とした緊急の休業補償や、漁業会社一社当たりの政府補助金を現行の三年間で三万ユーロ(約五百万円)から十万ユーロへ引き上げるほか、漁船の燃費効率改善援助や魚価の引き上げ対策など域内漁業の体質強化策も支援します。
欧州では今春からフランス、イタリア、スペイン、ポルトガルなどで燃料高騰への抗議行動が高まり、各地でストも起こりました。六月四日には、ブリュッセルのEU本部前で漁民約四百人が抗議集会を開きました。
六月に開かれたEU七カ国漁業相会議は、漁民への国家助成金増額を要求。とくにフランス、イタリアは「一社当たり十万ユーロへの引き上げ」を提起、今回の実現にこぎつけました。
しかし今回は、燃料費高騰分の直接補てんについては見送られました。
欧州では、漁船用の燃料価格が二〇〇二年比で、240%値上がりしています。