2008年7月10日(木)「しんぶん赤旗」
洞爺湖サミット
温室ガス削減
先進国に多大な責任
主要排出国会議 途上国が迫る
気候変動対策を話し合う主要排出国会議(MEM)首脳会合が九日、北海道洞爺湖町で行われ、主要八カ国(G8)と中国、インドなど計十六カ国が参加しました。途上国側は、十九世紀以来の工業化で温室効果ガスの蓄積に多大の責任を負う先進国こそ、率先して自らの責任を果たすよう強く求めました。
席上、途上国側は、今後の排出量削減について、これまでの排出に責任を負う先進国が、中期の削減目標を設定し、削減努力を強化すべきだと主張。G8側も、先進国の歴史的責任について、否定しませんでした。
途上国側は、国内に貧困問題を抱え、保健衛生など克服すべき課題が多いとして、経済成長が脅かされることは受け入れられないと強調。気候変動対策に取り組むため、先進国からの資金、技術面での支援を求めました。
G8側は、経済成長を犠牲にすることを求めているわけではないとして、排出削減の長期目標を共有するよう求めました。
しかし、排出量を二〇五〇年までに世界全体で半減させるとの長期目標の共有に支持を表明したのはインドネシア、オーストラリア、韓国の三カ国にとどまりました。
同日採択された首脳会合宣言では、中期目標について先進国が「排出量の絶対的削減を達成するため国別総量目標を実施する」と指摘。途上国は排出量の増大を避けるため、「国別の適切な排出削減行動を取る」としました。
同会合は、北海道洞爺湖サミット(主要国首脳会議)に合わせて行われ、MEMとして初の首脳会合となりました。今回の議長は、MEMを提唱したブッシュ米大統領ではなく、福田康夫首相が務めました。
MEM 主要排出国会議の略称。気候変動対策で、京都議定書に続く二〇一三年以降の次期枠組みづくりで主導権を握ろうと米国が提唱し、昨年九月に発足。過去四回会合を開いています。参加国は主要八カ国(G8)と、インド、インドネシア、オーストラリア、韓国、中国、ブラジル、南アフリカ、メキシコの計十六カ国。
■関連キーワード