2008年7月9日(水)「しんぶん赤旗」
完全検証に協力を
北朝鮮核でG8が要求
政治・安保問題
北海道洞爺湖サミットに参加している主要八カ国(G8)首脳は八日夜、政治・安全保障問題を集中的に討議しました。北朝鮮の核問題について、「拉致問題の解決を含む二〇〇五年九月の六カ国協議共同声明の完全実施を通じ、朝鮮半島の検証可能な非核化を引き続き支持する」ことで合意しました。また、北朝鮮の核計画申告を歓迎しつつ、北朝鮮が完全な検証に協力するよう求めることで一致しました。
軍縮問題では、核不拡散条約(NPT)をはじめとする不拡散体制を強化し、すべての核兵器保有国に「透明性のある方法で核兵器削減を実施するよう呼びかける」ことを確認しました。
一方、原子力の平和利用については「奪いえない権利だと再確認する」と強調しました。背景には、気候変動対策に名をかりて原発を推進する日本政府の姿勢はもとより、従来、原発増設に慎重だった国の姿勢の変化があります。
G8として、原子力の平和利用に関し、国際原子力機関(IAEA)による監視など「核不拡散」、事故防止など「原子力安全」、テロ防止の「核セキュリティ」という三原則の重要性を強調しました。
世界の紛争地域での軍、警察、文民に対する支援の強化策なども打ち出すことで合意しました。
また、G8としてテロ対策に関する特別文書を採択。大統領選をめぐって混乱が続くジンバブエについては、G8として「さらなる措置」をとることも検討するとした共同声明を採択しました。
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